冬の最初の重たい雪が降った
『大雪の日の葬式は難儀だべなー』
『んだべな』
出勤途中、町の農協の前での会話を聞いて、「ずいぶん遠くに来た」とふと思う。
北海道川上郡弟子屈町、私が住んでいる町は難読地名にあげられることも多く、初見で読める人は少ないのではないだろうか。
てしかがちょう、摩周湖や屈斜路湖と聞いた方がピンと来る方も多いかもしれない。
阿寒摩周国立公園にあたる大自然に囲まれた、森と湖と火山のまち。
広大なアカエゾマツの森と日本最大のカルデラ湖、大地のエネルギーを感じる火山の恵みが豊富な町、というのがPRでのうたい文句だ。
実際に住んでみると豊かな自然の中で長閑で静かな暮らしができ、自然の洗礼もある地域という印象。北海道各地、同じような規模の町がいくつかあるのかもしれないが、豊かな資源がこれでもかと並べられていて、かつ人が少ない地域は意外とないのかもしれない。
重い雪の降った朝、まだ暗い時間帯から外に出て黙々と雪かき。
身体を使いつつ、整然と行っていく作業は嫌いじゃないと思う。